「ねぇ、海斗?」
俺は石川サラに何度も呼ばれたから、現実を見せられた気分になった。
「...サラ、悪魔の、能力って何?」
なるべく俺は静かに聴く。大声を出す気力もなかった。
サラは少ししてから話し始める。
「私の質問は後でするよ。悪魔の能力は、一つあるんだけど、...天使の能力が効かない能力。例えば、天使の能力でできた剣で刻まれても、死なないってかんじ。痛いけど」
それだけ?
と海斗は思う。
「ねぇ海斗、次は、私の質問。あの事件の犯人、知ってる?能力持ってんやろ?」
あの事件と聞いて、海斗は少し驚く。
もしサラが俺のことが犯人って知ったら...
どう思う?
「知らなくても、能力で調べられるやろ?」
サラは、天使のことをどこまで知ってる?どんなことを隠してる?今は、聞く気にもならなかった。
今言うべきことは...
「犯人?犯人ねぇ。サラ、何を聞いても、俺の事、好きでいてくれる?」
「あたりまえ!」
右手でVサインをつくってサラは笑った。
海斗は決心した。
「その犯人は...俺、なんだ」
サラはびっくりして声を出せないでいた。
サラだけじゃない。リアも、弥生も。
「う~ん、海斗はやっぱりいい目をしてただけ、おもしろい事、するねぇ」
雷はなぜか普通にしていた。
雷は本当に不思議だ。優しいような、優しくないような。
「そっか~海斗か...。これからも、殺人、続けるん?私達も、殺す?」
サラは俺より自分の命が大切か?
「殺しはやめないよ。でも、サラや雷は、殺さないよ。俺を信じて」
ウソに決まってんだろ?
「うん。信じる。信じてる。海斗」
サラは...悪魔だし...もうどうでもいい。
「わ~い!僕も?僕も殺さないんだぁ」
雷、お前は最後に殺してやるよ。
「わ、私達は!?」
リア、弥生。とことん利用してから殺そうか。
「でも」
サラが呟く。
「でも、悪魔は他にもいるから、そういう人は、殺さないん?」
「何言ってんだよ。世界中の人間殺して自由になるのが夢だし、悪魔、見かけたら殺す。かといって、一気に人は殺さず、じわじわと。リアと弥生は、殺さないでやるよ」
「本当に?よかった~」
バカだ。こいつら、どこまでバカなんだ?
人の心を調べようとしないし...。ま、調べられないように能力でしてるけど...
「...そういえばサラ。お前、悪魔なのに、俺に告ったのか?俺の心配とかしないで」
どんな答えが来るかは、少し不安だった。
やっぱり人を簡単に嫌いになれないんだと思う。
「で、でも私、悪魔って言っても、天使に近い悪魔だし...か、海斗だって何も言わへんかったやん!!天使の能力もらった事」
海斗は少し苛立つ。あー言えばこー言う。
「それはお前に、危険な目に遭って欲しくないからに決まってんだろ!!なのにお前は...悪魔のこと...知らないそぶりして...」
雷が俺の肩に手を置く。そして、首を左右に振った。そして話し始める。
「サラちゃん。悪魔だからって気ぃ抜くなよ。海斗を怒らせる、悲しませるような事したら、殺すから」
「殺せるわけあらへん!!私は悪魔だから、悪魔なんだから!!」
サラは自分は強い、大丈夫、死なない。と言い聞かせるように叫ぶ。
「大丈夫。僕天使界三大王子の一人だから、能力、普通の人よりすごいし」
三大王子?普通よりすごい?
...いやそんな事はまだ興味ない。
「俺、今のサラが本当のサラなら、別れる。バイバイ。短い間ありがとうございました」
海斗はほとんど棒読みで言う。
「...バカ。もう知らへん!!」
サラはそう言ってから、走って教室を出て行く。
「海斗、別れてよかったの?ま、僕は海斗の好きでいいと思うけど♪」
「...雷さん。さっきの、海斗君に嫌われたら終わり...みたいな事言ってたけど、何?」
リアが急に話を変えた。
「?嫌われた、ら終わり?何それ」
俺は意味が分からなかった。サラと裏庭に行ったときの話だろうか?
「...ただ世間話、してただけだよ」
雷がそう言ったらすぐに、リアが倒れかける。
そんなリアを、あせって雷が支える。
「大丈夫?」
そして雷とリアは少し見合っている。少しすると、リアがきょとんとした。
「あれ?私、今さっきまで何言おうとしてたんだっけ?」
雷はその言葉に少しニヤッとした。
「もう、大丈夫?」
リアは記憶がない人みたいに、辺りを見回す。
「あっえ~と。大丈夫、かもです」
と言い、リアは雷から離れる。
「大丈夫そうだね。じゃ、時間動かすよ。あ、リアちゃん。後でちょ~っと話、あるから来てよ。裏庭」
と言い終えると、指をパチンと鳴らした。癖なのだろうか...?
また教室がうるさくなる。
「?別にいいですけど。というか今からでもいいけど」
リアは簡単に言う。
何の話だろうか?...俺には関係ない。
海斗は机に戻り、また勉強を始めた。

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