「で...何の用?裏庭にまで呼んで」
須雅海斗は裏庭を見て、雷と天使の話をした時を思い出した。裏庭には前までぜんぜん来ていなかったのだから、不思議な気持ちだ。
にしてもサラは、何の用で...。
「ねぇ海斗っ。久しぶりに2人っきりになれたんやからさ~」
サラは海斗の背に手をやり、
「いいよね?こうしても」
だきついた。
「サラ...。でも、それだけじゃ、ないだろう。今、話そうとしている事は」
サラは満足そうな笑いをする。俺に向かっていつも笑っていたときとは、少しちがう。
サラは、真顔だった。
「ふふ。そう。私が話す事は1つ。事件。連続殺人事件のことなんやけど、新聞で、見たんやと思うんやけど───」
俺はその事件のことを知らないはず、なかった。それは、それは俺が犯人の、事件だから。
「海斗、聞いてるん!?」
俺はサラの言葉で我に返った。
「あっ、その事件?一応新聞読んでるから知ってるけど、それが、どうした?サラ」
サラは俺に歯を見せて笑った。
「今日から調べてみようと思ってるんやけど、学校、休む事が多くなると思う。だから、心配はしないでな」
「別に調べる必要はないと思うよ。俺はな。それに、サラが危険だ。警察じゃないんだし...」
俺は否定するしかなかった。大好きなサラに能力は使いたくないし...。それに、もしサラに俺が殺人犯だと知れたら...
「警察じゃないからって、ほっとけないよ。私の考えからだと~天使が関係してると思うんや。だとしたら本当にバカ...」
サラはハッとし口をふさいだ。
「な、何でもない...何でも、ないから。天使なんて、信じてへんよ?」
サラ...何か知ってるのだろうか?
能力で記憶を消したほうが...。
いやでも、サラは大切な人。能力は流石に使いたくない。どうすればいいんだ?
「こ...殺、す?な、なんであなたが海斗君をかばおうとするの?蚊南田君、ほとんど誰にも、優しくないのに」
リアは雷を少しだけ、睨んだ。
雷はかなり小声で、一言だけ呟く。
「僕は海斗に嫌われたら終わりなんだ。だから、嫌われたくないよ...」
雷の顔は、今にも泣きそうな顔だった。
「雷?どうしたの?」
リアの近くに座っていた椎名弥生が心配そうに雷を見る。
「弥生、しつこいよ。僕に付きまとわないで。 僕、弥生の事好きでもなんでもないから」
「でも雷、私のこと大好きって...!!」
「昔の事は!忘れたいんだよ」
雷の目から一粒の涙がこぼれた。
「ん?どうした?3人で」
海斗は戻ってきた瞬間雷のほうを見て、少し心配そうにした。
そんな海斗を見て、雷は顔を上げ、あはっと笑う。
「目にゴミが入っちゃって~。海斗、目薬持ってない?あいたたたた...痛い~」
リアは雷の方と弥生の方を交互に見る。
「止まれ!!」
リアは時間を止めた。海斗、雷、弥生はびっくりしてリアを見る。
「...海斗君たちは止まらないんだよね。あのさぁ。いきなりで悪いけど、蚊南田君と弥生、知ってる事隠している事、全部、教えて?」
雷が指をパチンッと鳴らす。
時間が動き始める。
「な、何をするの?」
「リアちゃん...僕ら隠し事なんてないよ?ねぇ?ヤ・ヨ・イ?」
弥生はびくっとする。雷に見られたからだ。
「ハ...ハイ...。何も、何も知らないし、隠してないよ?リア」
「まぁそんな事より、雷大変なんだよ!」
空気を読まないで、海斗が話し始める。
「サラ、石川サラ。俺の恋人の。そのサラが少し、変だったんだ」
雷はふぅ~んと言う。
「サラがあの連続殺人事件について調べるらしいんだけど、天使が関係してんじゃないかみたいな事言って...。サラって、天使か!?でも、天使の事をバカよって言ってたんだ...」
「えっ!?うそ?」
弥生は立ち上がって叫んだ。雷はあきれたそぶりをする。
「知らなかったの?」
雷は何かを知ってたっぽい。
「あの~。そこの海斗たちぃ~」
サラの声だった。
雷は指を鳴らす。時間を止めたらしい。サラは全く止まる感じはない。天使か天使のパートナーなのだろうか?
「あなた...何で能力効かないんですか?普通の人だったら実際今、動けないんですよ?海斗君の彼女だったら、普通の人だと思ってたけど...普通の人じゃないんならもう、がまんしない。譲らない。海斗君を、絶対、絶対に奪って」
「イヤ...何で?何で何で何で何で何で!?」
弥生がふるえた声で何でと言い続ける。
「どうしたんだ?椎名」
何故か俺は冷静に声をかけた。いや、信じたくなかったんだと思う。サラが普通の人じゃないなんて。
弥生はサラに向かって指差した。
「何で悪魔がこんな所に...!?」
サラはポカンとした。そして、すぐ何かに閃いたかのように、あ、そういう事か。と呟く。
「あの事件の犯人は天使関係って可能性もやっぱあんな~。海斗も天使のパートナーか何かやったんやな。新井さんも?蚊南田君と弥生さんは天使?ま、その前に海斗。ちょっとええ?聞きたい事があんねん」
海斗はサラの言葉に気づかなかった。とても怖かったから...
悪魔?天使の次は悪魔?しかもサラが?
俺は、どうしたらいい?

コメントする