授業なんてめんどくさいもの、何で世の中にあんだろ。全く。足し算とかはいいけど。xって何?細かすぎる漢字もいらないって。
人間界の面倒くささを実感しながら弥生は東京の観光地を回っていた。
「リアはいないし雷もいないし須雅君は早退とか言うし」
どうなってるのよ~と呟く。もう、色々調べちゃおっかな~。でもそんなことしたら、雷が怒るかな。
でも何で雷、あんな変わっちゃったんだろう。
10歳~今の雷を少し知ってる私じゃ、何もできないのかな。できないよね。
弥生はその辺にあるお店に入る。
「キレイなお店」
思わずそう呟いてしまう。店員がいらっしゃいませ。と言ってきた。お金なら、能力で出せば、いくらでもある。
何の店か分からないが、適当に席についた。とってもキレイで、感動した。
「おっと!!」
と雷が言う。いやちょっと待て。
...雷の声!!?何で?どうして?
よく分からないけど、まさか運命?
「あっ弥生」
雷が目の前に現れる。
「雷...ここ、お店...」
雷は、簡単に
「それがどうしたの?ちょっと話があr」
雷が話しているのを無視し、腕を思いっきり引っ張る。とりあえず店員に、
「何も食べません。失礼しました~」
とだけ言って、店から飛び出す。雷は、私より世間知らずなのか。急に人が現れたら、大事になるって...
「あはははっ。おもしろーい。どうしたの急に走り出して」
急なのは雷だから...
「まっいいや。弥生、ごめん!!」
「へ?」
え?え?何で?この前まであんなに...
「ごめん。色々。怒ったり怖がらせたり悲しませたり...」
全く意味が分からなかった。しかも、まるで子犬のように目をキラキラさせて、ごめんねと言ってくる。
ここで私が怒鳴ったら、周りからは私が悪者に見えるんじゃ?ひとまず、
「何でそんな急にあやまるの?」
と、自分を落ち着かせながら言う。
「急って言われてもなぁ~」
雷は返事に困っている様子だ。
「弥生ってさ、僕の事どこまで知ってる?っていうと変だよね。僕が君を殺さなかったという事から何も考えなかった?ま、弥生は、ここがあれだからね~」
と言って雷は、頭の上に手をやり、クルクルする。多分、私の頭がくるくるパーと言っているかの...
「ちょ、ちょっと!!私がバカって言いたいの!?ひ、ひどい...雷だってバカだもん!!」
雷は口をポカンとあけて言ったな~と呟く。
でも雷が私を殺さなかったのは...
「天使は天使を殺せないわよ?」
弥生は自信たっぷりに言う。
私のほうが頭いいんだ~って雷、今頃驚いてるわよ~。何かうれしくなってきた~と、弥生が思ったとき、雷が大声で笑い出す。
「あはははは!!本っ当にバカだ!!海斗に殺してって言えばいいだけだから!!ははっ」
弥生は自分の顔が赤くなるのが分かった。
「ひ、ひどいー!!何よバカバカバカバカうるさいわよ!!バカじゃないから~!!」
雷は笑いを止めて、真顔になる。
「僕、弥生にいっぱい悲しませちゃったけど、ここまでやったのは、弥生が初めて。...俺の姫、ごめんな?弥生は、特別なんだよ。...特別だから」
雷は弥生の頭をなでる。弥生は、自分の目から涙が流れるのが分かった。
「特別?」
少し俯きながら聞く。
「そう。特別。お姫様、俺のこと...誰にも言わないでほしいんだ」
弥生はお姫様という言葉に反応して、涙をもっと流した。そして一回頷いた。
「ありがとう。弥生。じゃあ俺もう...行くな」
弥生はまた、小さく頷く。
雷は少し手を振り、一瞬で消える。瞬間移動だろう。
弥生は雷がいなくなった途端、一気に涙がふき出してきた。そして、一言呟く。
「雷、雷...大好き。両思いだったんだね?私と雷は...」
弥生は心に決めた。
誰にも雷の事は言わないと。

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